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道、果てるまで [バイクに関する本]

戸井十月さんの本「道、果てるまで」
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ついに読み終えました。

一気に読んじゃうのがもったいなくて、
毎日仕事帰りの電車で少しずつ少しずつ読んでました。

ページをめくると、戸井さんと一緒にユーラシアの大地を
バイクで走っているような気持ちになって
ドキドキはらはらしたり、人生について考えたり。

このところ、毎日戸井さんと一緒に走っていました。私。

この本が出版されたのは2011年4月15日でした。
本の中には、同年の5月14日に行われる講演会のチラシも入っています。
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戸井さんの話、聞きたかったなあ・・・・・。

戸井さんは今年の7月に、お父さんや友の待っている世界へと旅立たれました。

戸井さんがいないと知りながら読むユーラシア走破行は
切なかった。


1997年に48歳でスタートしたバイクによる5大陸走破の旅。
初めに北米大陸3万3千キロの110日の旅。

翌年オーストラリア大陸へ。50歳になろうかという年の1万5千キロ。

その後、父や旧友が他界し、亡くなった人たちに背中を押されるように
52歳でアフリカ大陸へ。100日間2万キロの旅。

4年後、56歳で南米大陸の旅。120日間3万キロの旅。

2010年に60歳となった戸井さんは、ついにユーラシア3万キロを走り、
12年間で13万キロの距離を走り、通過した国は70カ国に及びました。


最後の旅のルートは、ポルトガルのロカ岬を出発→スペイン→フランス→クロアチア→
ギリシア→トルコ→イラン→トルクメニスタン→ウズベキスタン→キルギス→
中国→モンゴル→ロシアのウラジオストクで5大陸走破。
→フェリーで富山→東京
というルートです。

2010年にNHKでこの模様が放送されたと「MOTONAVI No.66」に書いてありました。
翌年、肺がんで倒れ闘病していたことも。

戸井さんは「道、果てるまで」の中でこう語っています。

「三十四歳でバイクで日本の外に出てから今日までの二六年間で、およそ30万キロの
道行く旅を重ねてきた。
目を閉じれば、駆け抜けてきた風景を、旅してきた世界の音や匂いを、道端で出会った
人々の顔つきと共に思い出すことができる。バイクで地を這う旅は趣味や道楽の範疇を超え、
今や私のライフスタイルの核にある。
バイクの旅の広がりや深さを知らなかったら、
私の人生はずいぶんとつまらないものになっていただろう。」

「人は誰も、生から死へ至る途上を生きている。
人生も旅も過程(プロセス)だ。どこかからどこかへ向かう途中を人は生きている。
どこに辿り着いたかではなく、どこに向かっているのかが肝要ではないだろうか・・・・。」

主要な道が舗装されていないモンゴルや、
息をするのもつらい中国の工業地帯。
シベリアではアイスバーンの道を進まなければならなかったり、
何度か転倒してシフトペダルが曲がったり・・・。

どうしてこんな思いをしてまでここにいるのか?
と自問自答しながらも、世界を走り抜けた戸井さんの瞳に写ったものや、
感じた事、体験した事は、バイク乗りとして共感できることもあったり、
人生の先輩として教わる事も色々ありました。

戸井さんは言いました。
「旅とは、私にとって生きることと同意義であり、生きることそのものだ。」

この本の中には、ユーラシアを走りながらも、それまでに走って来た道や
出会った人々、家族や友人を思う戸井さんの姿がありました。
この本には、戸井さんの人生そのものがつまっています。

どのように生きるか。
そんなことを問いかけてきてくれる本と出会えた事に感謝。

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