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戦争を体験して生きるということ [読書]

今年の目標は色んな本を読む事なので
本の紹介を兼ねて時々読書の記録をしていきたいと思います。

2冊続けて戦争の本を読んで、
あまりにも重い内容でずーんと来てしまって
しばらくショックで落ち込んだりもしたけど
読んで良かったと思う。

「沖縄戦 ある母の記録」(安里要江・大城将保著 高文研 1995年)
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この本は夫と子ども2人を含む11人の身内をなくした25歳の母親の記録である。

沖縄は1945年3月下旬から7月初めにかけて戦場になった。

行き場をなくした数十万の住民が巻き込まれ、
ガマ(洞窟)へ逃げ込んだ。


沖縄戦に巻き込まれた一住民の戦闘の全期間を通しての克明な体験記録としては
初めての公刊記録なのだとか。

ガマと呼ばれる真っ暗な洞窟の中では、
子どもが泣くと敵に見つかるといって日本兵に睨まれ「始末」すると脅された。

洞窟の中で食べるものがなく、お乳も出なくなり、
9ヶ月の赤ちゃんが腕の中で亡くなってしまった。

暗闇で顔を見ることもできないまま冷たい我が子の顔を撫で埋葬した。

糸満市にある轟の壕は大変大きな洞窟で、多くの市民が避難していて、
幸いにも、一部の人の働きかけで多くの人が命を救われた。

沖縄戦が終わり、米兵に救出され収容所に入ってからは
夫や息子、親戚などの残った家族を病気で失った。

生きる気力を失いかけた彼女だったが、数年後に再婚し、子どもを授かる。

幼稚園の経営や婦人会活動を経て5人の子どもに恵まれ、
65歳で村会議員に立候補し当選。

語り部(べ)活動を行って平和を訴え続けてきた。
現在93歳の彼女が体験した戦争がそこには書かれていた。

本当にこの国であった事とは思えないほどに、
時代は変わった。
でも彼女の心の中では消えようもない事実。

戦争で何があったのか。
戦争を体験した世代の人達が語り伝える悲惨な事実は知れば知るほど恐ろしい。
でも目をそらさずに向き合う勇気が必要だと思った。


もう一冊、戦争が書かれている本を読んだ。

こちらは小説であるが、内容が反戦的なため何度も発禁となったそうだ。

「ジョニーは戦場へ行った」(ドルトン・トランボ 著 信太英男 訳 角川文庫 1971年)
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青年ジョニーは異国の戦場で砲弾を受け
目・鼻・口・耳をそぎとられ、両腕・両足を切断されてしまう。

物のようにベッドに横たわりながら、過去や現在、未来へと想いを巡らせる。

19歳の彼女のこと、両親のこと、戦場で見たこと、そして今の自分の状況のこと・・・

何年もそんな状態が続いたある日、自分の意思を看護婦に伝える方法を思いつく。
看護婦からの嬉しいメッセージに答えられるようになる。

そして看護婦や医師がそれに気づき、彼が願い伝えた事・・・
それに対して医師たちが取った行動は信じがたいものだった。

戦争で傷つき、自由を奪われ、ただ生かされている青年
でも心の内面は誰にも奪えない。

奇跡を経て生まれてきた命。
誰も傷つかない、傷つけない世の中を実現していくのが
人としての正しい生き方だと心から思った。
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この2冊を読んだ後、ムーミンの本を読んで癒されました。(#^.^#)

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コメント 4

すらいむらいだー

「ジョニーは戦場へ行った」の著者、ドルトン・トランボ。解説にあったかも、ですが、この人の人生もまた、スゴイです。 

沖縄は高校の3年間いました。私等世代の親世代は、戦争どストライクで、級友の話で
「逃げる時、一族の会議で、北か南かで、大論争になり、結局北に逃げて助かった」そうです。
別に北が良いと言う根拠はなかったそうなので、言わばタマタマですね。

生死の境は、案外偶然で決まるのかもしれません。
by すらいむらいだー (2014-08-29 22:17) 

ミチル

私の親はすでに戦後世代ですが、母は沖縄出身なので、おばあちゃんからは急死に一生話は聞いたことがあります。
父方のおじいちゃんも、鉄砲の弾が体を貫通していました。先祖の誰かが欠けても私はいなかったんだなぁ、、、と、今の自分の環境を幸せに思います。また仕事先で会うお年寄りからも、よく戦争の話を聞きます。そして、大体『あなたは苦労したことがない』と言われます(^^;; 立ち振る舞いに、育ちの良さが出るみたいです。
バイクにも乗れて、ホント今の時代に生まれたことに感謝です。
by ミチル (2014-08-29 23:03) 

ピら手

すらいむらいだーさん
著者は色々苦労されたようですね。それだけ社会に衝撃を与えた作品なのでしょうね。
高校時代沖縄にお住まいだったんですね。戦争体験を直接聞く機会はなかなかありませんが東京大空襲の体験談を小学校の担任の先生から聞いたのは今でも覚えています。
by ピら手 (2014-08-30 17:40) 

ピら手

ミチルさん♪
そうだ、沖縄でしたね(*^^*)おじいちゃんおばあちゃん世代から色々と聞いたりしたんだね。
誰が欠けてもいまの私たちはいないんだよね。
精いっぱい生きなくてはね。
by ピら手 (2014-08-30 17:51) 

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